ロバート・ボッシュは15日、小型商用車向けの電動駆動ユニットの提供を始めたと発表した。新しいパワー半導体を採用し電力損失を20%以上低減。インバーターの効率を97%に引き上げ、航続距離の延長と効率向上を実現した。同ユニットはダイムラートラック向けにDC/DCコンバーター、車両コントロールユニットとともに提供する。

 ユニットはモーターとインバーターで構成する。乗用車に使用されている技術をベースに、モーターとインバーターを設計。ユニットを車両の既存の水冷回路に組み込むことで油冷回路を不要にした。

 最大出力は129㌔㍗、定格出力100㌔㍗。永久磁石同期モーターは430ニュートン㍍のピークトルクを発生する。モーターの回転速度が高いため、単速トランスミッションで広い速度域に対応する。ユニット制御を担うソフトウエアは顧客要求に合わせて調整できるという。

 ユニット重量は約80㌔㌘。ユニット全体を小型化したことで、バッテリーレイアウトの自由度が高まるのも特徴。フレキシブルな構造を採用しており、新型車両に加え、既存モデルへの適用も容易になるとしている。

 生産は電動パワートレインの基幹工場である独ヒルデスハイムのラインで行う。