日野自動車は9日、エンジン認証不正があった大型エンジン「E13C」を搭載する大型トラック「プロフィア」と大型観光バス「セレガ」の一部車型について、同日、国土交通省にリコールを届け出たと発表した。対象台数は2万1100台。内訳はプロフィアが2万202台、セレガが898台。

 排出ガス後処理装置の窒素酸化物浄化触媒(尿素SCR触媒)の浄化率を定期的に点検し、排出量が一定の基準を超える場合は触媒を交換する。同エンジンを搭載するいすゞ自動車の大型観光バス「ガーラ」も、いすゞがリコールを届け出た。同様の不正行為があった産業用エンジン3機種についても、建機メーカーが当該エンジンを搭載する建機のリコール届出を実施した。

 E13C搭載車は、DPR(排出ガス浄化装置)再生用制御プログラムが適切でなく、高回転高負荷条件でのDPR再生中に尿素SCR触媒が高温になり、劣化が早くなることがある。尿素SCR触媒の性能が低下し、排出ガス中の窒素酸化物の排出値が規制値を超える恐れがある。

 暫定措置として、全車両を対象に尿素SCR触媒の浄化率を点検する。排出値が一定の基準を超える場合は尿素SCR触媒を交換する。メンテナンスノートの点検整備項目にSCR触媒の浄化率点検(無償)を追加し、定期的に実施する。恒久対策が決定次第、改めて措置を実施する。

 リコール作業については、日野が日野ディーラーや建機メーカーに約40人を派遣し、点検や交換作業などを支援する。