豊田自動織機は30日、愛知県東浦町に車載電池を生産する石浜工場を新設し、10月からハイブリッド車用バイポーラ型ニッケル水素電池の量産を開始すると発表した。新工場の生産能力は月産2万台で、同社の共和工場(愛知県大府市)とあわせて月産4万台体制とする。

 バイポーラ型ニッケル水素電池は、電気を取り出す端子となる集電体の片面が正極、もう一方の面が負極で、高出力・小型なのが特徴。同社はトヨタ自動車と共同開発し、21年7月に市販したトヨタの「アクア」の駆動用電池として世界で初めて実用化された。今後、「クラウン」や「レクサスRX」に搭載される予定で、生産能力を増強して需要拡大に備える。

 同社はカーボンニュートラルに向けた電動車の拡大・普及に貢献するため、さまざまな電動車に対応できるよう電池のラインアップ拡充を図るとともに、安定供給に取り組むとしている。