ホンダと韓国の電池メーカーLGエナジーソリューション(以下、LG)は8月29日、リチウムイオン電池を製造する合弁会社を2022年内に設立すると発表した。約44億ドル(約6100億円)を投じて最大生産能力40ギガワット時の工場を米国に建設し、25年に生産を開始する。北米では今後、EV市場の急拡大が見込まれている。ホンダは24年に発売するEVにゼネラル・モーターズ(GM)の電池を採用する一方で、独自の調達網も構築することでEV需要に備える。
新工場で生産する電池は、ホンダの北米工場に全量供給する予定。ホンダは26年に自社開発のEVプラットフォーム「eアーキテクチャー」の採用モデルを北米で発売する予定で、新工場で生産する電池は同モデルに搭載するとみられる。
ホンダは北米で24年に発売するホンダ「プロローグ」とアキュラ「ZDX」にGMが開発し、GMとLGの合弁工場で生産する電池「アルティウム」を採用する。一方、今年4月には電池の合弁工場を北米に立ち上げる方針を示していた。今回、提携先と具体的な投資計画を明らかにした形だ。工場の立地は検討中とする。
米国では、カリフォルニア州が25日、35年にかけてハイブリッド車を含むガソリン車の販売を段階的に禁止する規制を発表するなど、EVの市場拡大が見込まれる。ホンダは電池の現地調達網を構築し、米国でのEVシフトを加速する。