ホンダのEV「ホンダe」の専用プラットフォーム。部品サプライヤーもEV対応を急ぐ

 ホンダ、日産自動車を主要納入先とする部品メーカーが事業体制の見直しを加速している。ホンダ系サプライヤーは電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)への対応を本格化するため、他社との協業などを本格化。日産系サプライヤーはグローバル生産台数の縮小に伴う生産体制の再編を進める。自動車メーカーの減産や、エネルギーや輸送コストの高騰などが収益を圧迫する中、系列色の強いサプライヤーは将来を見据えた体制転換を急ぐ。

 ホンダ系サプライヤーで目に付くのが他社との協業を積極的に進めていることだ。ホンダは2040年までに新車販売をEVとFCVだけとし、内燃機関からの撤退を打ち出した。ホンダを主要納入先とするサプライヤーは、電動車に対応する部品の早期事業化を狙って、他社との連携に動く。

 ジーテクトはアーレスティとアルミ材などを活用した車体部品とEV関連部品を共同開発することで基本合意した。EVの航続距離を伸ばすため、車両軽量化が求められる。両社は軽量材料であるアルミを使った付加価値の高い車体骨格部品を共同開発し、EV向けの需要を取り込んでいくことを目指す。

 エイチワンは、日立ハイテクと連携して、リサイクル材料の活用を想定したアルミホットスタンプ部品を23年度中に量産化する。車両軽量化や資源の有効活用、部品生産活動での二酸化炭素(CO2)排出量削減をアピールして、受注獲得を狙う。

 自動車用シートを手がけるテイ・エス テックは、次世代車の車内空間の開発でアルプスアルパインと提携した。市場拡大が見込まれるEVやFCVはエンジン音がしないため、静粛性が求められる。テイ・エス テックのシート領域、アルプスアルパインの電子部品やインフォテインメントシステム領域で培ったノウハウを融合して、EVやFCV向けなど、次世代車室空間の開発で協業する。

 一方、日産系サプライヤーは生産能力の見直しを進めている。日産が工場閉鎖を含むグローバルで生産能力の削減を進めてきたのに対応するためだ。

 河西工業は、米国ミシシッピ州にあるマディソン工場を8月に売却を決めた。リースバック方式で「当面は生産を続ける」(半谷勝二取締役専務役員)ものの、今年2月に中期経営計画を見直した「アスリート・カサイ24+」に掲げた同工場を閉鎖し、テネシー州のマンチェスター工場に集約する予定は変えていない。

 ヨロズは国内生産体制の再編に乗り出している。子会社ヨロズ愛知は生産する部品を岐阜県輪之内町に新設する工場に集約する。日産の生産規模が縮小する中でも「価格でも品質でも競争力のある製品」(平中勉社長)を生産するため、新工場で高効率、高品質な部品を製造できる体制を整え、受注獲得を狙う。

 EVシフトや異業種参入などによる競合、業界再編など、自動車産業は大きな変革期を迎えている。ホンダ、日産を主要納入先とするサプライヤー各社は、それぞれの納入先の将来の姿を見据えて対応を本格化し、生き残りを図ろうとしている。