CJPT設立の発表会見(2021年3月)

トヨタ自動車などが出資する商用車の技術企画会社であるコマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT、東京都文京区)は8月24日、日野自動車の認証試験不正を踏まえ、日野を除名すると発表した。共同企画契約など全ての契約から日野を除外するとともに、日野がCJPTに出資している株式(10%)をトヨタに譲渡する。トヨタの出資比率は従来の60%から70%に増える。福島県と東京都での社会実装など現在CJPTが取り組んでいるプロジェクトについては、日野が必要最小限の役割を果たす形で継続する。

CJPTは今回の除名処分について、一連の日野の不正行為はCJPTが共有する想いや目指す道とは相いれないものであると判断。トヨタの豊田章男社長からも「このまま日野を含めて活動を進めることは、お客さまや社会の皆さまからの理解を得ることができないのでは」との投げかけがあり、CJPT内での議論を経て今回の結論に至ったとしている。

豊田社長は「現状では日野がいることで皆さまにご迷惑をおかけしてしまうと考え、CJPTから日野を除名することが適当であると判断し、関係各社とも協議の上、今回の結論に至りました」とコメントした。

日野はCJPTからの除名について「今回の決定を大変重く受け止めています。まずは、起こした不正の深刻さおよびその真因を正面から受け止め深く反省し、正すべきを正してまいります。社会から再び必要としていただける企業として生まれ変わるための変革に、強い覚悟を持って取り組んでまいります」とコメントした。

CJPTは、商用車に関するCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)やサービスなどを手がける技術企画会社としてトヨタ、いすゞ、日野が出資し、2021年4月に設立した。21年7月にはスズキとダイハツ工業も出資し、物流のラストワンマイルなど軽自動車を含めた商用車の課題解決に取り組んでいる。いすゞ、スズキ、ダイハツの出資比率はそれぞれ10%となる。