販売好調な日産「サクラ」

 次世代自動車振興センター(堀洋一代表理事)は、電気自動車(EV)などの購入費用を補助する「クリーンエネルギー自動車(CEV)導入促進補助金」の2022年度分の受付を、10月末にも終了する見通しだと公表した。日産自動車、三菱自動車が共同開発し、6月に発売した軽EVの販売が好調なことから、予算の消化率が「例年よりかなりハイペースな状況」(同センター)なためとした。

 7月25日時点の予算残高は約177億円。このままのペースでいくと10月末頃に今年度分の補助金申請の受付を一旦打ち切ることになるという。日産の軽EV「サクラ」が発表から2カ月で2万2千台を受注したほか、三菱自の「eKクロスEV」も約2カ月で4923台の受注を獲得するなど想定を上回る引き合いとなっており、CEV補助金の利用率が高まったとみられる。

 一方、半導体などの部材供給不足で納車の遅延が発生しており、「(該当車の)購入予定者から補助金申請に間に合うかといった問い合わせが多数来ている」(同)状況だという。補助金受付の終了告知を受け、ディーラーなど販売店にはユーザーへの説明が求められることになる。

 現行のCEV補助金は、軽EVの購入費用を最大で55万円補助する制度になっている。自治体の補助金と組み合わせればエリアによっては実質120万円程度でサクラ、eKクロスEVを購入できる状況にあり、軽EVの販売を押し上げている。