三菱自動車が27日に発表した2022年4~6月期の売上高は前年同期比22・4%増の5286億円、営業利益は同190・8%増の307億円と増収増益となった。原材料価格高騰の影響は大きかったが、為替の好転や商品構成の改善で売上高、利益ともに前年実績を上回った。4~6月期の業績上振れ幅を反映し、通期の見通しも売上高を期初見通し比600億円、営業利益を同200億円上方修正した。

 4~6月期の連結売上台数は前年同期比1・3%増の22万1千台だった。販売台数の増加や売価の上昇が127億円の増益効果となったほか、円安ドル高などによる為替差益が175億円、資材費の低減活動などが76億円の増益要因になった。一方、半導体高騰などによる原材料価格の上昇は145億円、船便などの物流費高騰が29億円の減益要因となった。

 通期の業績見通しは売上高、利益項目ともに上方修正した。為替の影響が大きく、ドル円レートを前回の想定値より3円の円安方向に変更したことなどが期初見通し比200億円の増益要因になった。一方、池谷光司副社長は「不安定な経営環境は当面続くほか、世界的な景気後退リスクもあるため、第2四半期以降の計画はほぼ据え置いている」と述べ、慎重な見通しを示した。