度重なる値上げで市販タイヤの販売に影響も

 市販用タイヤで値上げが相次いでいる。トーヨータイヤは25日、来年1月に最大10%値上げすると発表した。同社は今年1月にも最大10%の価格改定を実施していた。横浜ゴムも10月に最大で8%、日本ミシュランタイヤ(須藤元社長、東京都新宿区)も同月に3~8%の価格を引き上げ、それぞれ今年2回目の値上げに踏み切る。既にブリヂストンと住友ゴム工業も今年に入って2度の価格改定を発表済み。原材料や製造、物流などのコスト高騰が長引いていることが要因だ。度重なる値上げは消費者心理に響く恐れがあり、これからの市販用タイヤの売れ行きを左右しそうだ。

 横浜ゴムは4月に夏タイヤ、7月に冬タイヤを最大で9%値上げしていた。日本ミシュランタイヤも4月に乗用車用タイヤなどを最大で10%価格を引き上げたほか、8月には冬用タイヤなどの価格改定を予定している。しかし、価格の見直しを上回るペースで、タイヤの原材料や輸送にかかる費用の上昇が進行している。政情不安など価格高騰の要因は早期解消のめどが立っていない。このため、企業努力によるコスト吸収は困難とみて、再度の値上げに踏み切る格好だ。

 他の国内タイヤメーカーも同様の事態に迫られている。ブリヂストンは4月に最大10%の値上げを実施し、9月にも夏タイヤと冬タイヤなどで再び3~8%引き上げる計画。住友ゴムは3月に夏タイヤを、4月に冬タイヤを対象に最大10%引き上げたばかりだが、9月にさらに2~8%値上げする。

 タイヤメーカー各社が年2回の価格改定を行うのは、前例がないとみられる。短期的に、市販価格が上昇することで、今後の国内市場や小売りの現場に大きな影響が出ることも予想される。小売店の購買担当者によると「過去の値上げ時には一定数の駆け込み需要が発生し、その後は買い控えが起きた」とし、警戒を強める。

 今回もユーザーが駆け込みや買い控えに動く可能性も高い。さらに、今年2度目の値上げとなるタイミングは年間を通して大きな需要が見込まれる冬用タイヤ商戦の直前にも当たる。価格改定による市場への影響を最小限に抑えるためにも、メーカーや小売事業者などに一層の顧客対策が求められそうだ。