日産自動車は20日、SUV「エクストレイル」を全面改良し、25日に発売すると発表した。初代モデルからのDNA「タフギア」(走破性)を継承しつつ、新たに“上質さ”を加えた。シリーズハイブリッドシステム「eパワー」の第2世代と電動駆動四輪制御技術「e―4ORCE(eフォース)」を搭載し、上質ながらアウトドアも楽しめる本格SUVに仕上げた。

 9年ぶりに全面改良した4代目はプラットフォームを一新し、軽量化とともに車体の高剛性化を図った。モーターとインバーターを刷新した第2世代eパワーを搭載し、発電用エンジンには、日産が世界で初めて量産化した可変圧縮比エンジン「VCターボエンジン」を初採用した。これにより高い静粛性と力強い走りを実現した。

 eフォースは路面と車両状況を瞬時に判断し、前後2基の高出力モーターと左右のブレーキを細かく制御することで四輪の駆動力を最適化する。コーナーリングでの意のままの走りや、雪道やオフロードでの高い走破性、市街地での快適な乗り心地を実現した。

 2WDモデルの燃費は、WLTCモードで19.7㌔㍍/㍑と、従来型に対し4.7㌔㍍/㍑向上した。

 安全装備は、高速道路単一車線での運転支援技術「プロパイロット」にナビゲーションと連動してドライバーの操作頻度を軽減する機能を追加したほか、駐車時に必要な操作を自動で制御する「プロパイロットパーキング」を搭載した。

 上下2階建て構造のヘッドランプや、タン色のナッパレザーのシート設定など内外装で上質感を演出した。

 12.3㌅のメーターディスプレーと、ナビ機能を備えたセンターディスプレー、10.8㌅の大型ヘッドアップディスプレーを搭載した。

 価格は、2WDが319万8800~429万8800円。4WDが347万9300~449万9千円(いずれも消費税込み)。最廉価の価格は、従来型と比べ71万6100円高となる。4WDを25日に、2WDを今秋に発売する。日産自動車九州で生産する。

 20日に本社(横浜市西区)で開催した発表会では、アシュワニ・グプタCOOが「エクストレイルは、日産の電動化戦略をけん引する役割を果たしていく」と述べた。