米国の新世代店舗(カリフォルニア州セアリトス)

【カリフォルニア州アーバイン=織部泰】マツダが米国で展開する「新世代店舗」の導入を拡大している。2023年3月までに米国の全店舗の半数強にあたる290店をオープンし、その後363店まで増える見通しだ。マツダでは高い品質のサービスや顧客体験の提供を目的に販売網の再構築を進めており、これに合わせて新世代店舗への切り替えを進めていた。新世代店舗での販売網を整備することで、今後投入を予定する付加価値の高いラージ商品群を拡販しやすい体制を整える。

マツダは、黒色を基調とした新世代店舗を2016年から米国で導入した。17年時点では米国全店舗の2割程度だったが、22年6月時点で240店まで拡大した。導入に向けて現在進ちょく中の店舗も含めると、将来的に米国全店舗の65%にあたる363店まで拡大する見通し。これらの新世代店舗が、米国の総販売台数の9割以上を占めることになる。

7月8日(現地時間)に現地で取材に応じたマツダノースアメリカンオペレーションズ(NOAA)の梅下隆一副社長(マツダ執行役員)は、販売増が見込まれる地域の店舗について「ほとんどの店舗で新世代店舗を導入してもらうことになる」と順調に導入が進んでいる現状を説明する。新世代店舗の拡大により、市場から高い評価を受ける新型SUV「CX-50」に続き、今後投入を予定するラージ商品群の「CX-70」や「CX-90」の販売にも弾みをつけたい考えだ。

新世代店舗は、現地販売会社からの評価も高い。米国で複数ブランドの自動車販売店を運営し、カリフォルニア州でマツダの販売店を展開する販売会社のオーナーは「(新世代店舗は)多額の投資が必要だったが、それを上回るリターンがあった」と収益面への効果を語る。