伊藤忠エネクスと西武バスは、廃食油などを原料とする再生可能資源由来のリニューアブルディーゼル(RD)燃料を、路線バスに使用して14日から運行すると発表した。RDを使用して路線バスを運行するのは日本で初めて。

 世界最大級のリニューアブル燃料メーカーであるフィンランドのネステのRDを伊藤忠商事が輸入し、伊藤忠エネクスが大型路線バスへの給油を担当する。西武バスの所沢営業所の路線バス1台に、RD燃料100%で運行する。

 RD燃料は食品と競合しない廃食油や動物油を原料に製造する。ライフサイクルアセスメントベースの温室効果ガス排出量は、石油由来軽油と比べて90%削減できるとしている。また、RD燃料は既存の車両や給油インフラ施設をそのまま利用できるため、脱炭素化社会に向けたトラック、バス向け燃料として欧米を中心に、市場が拡大している。

 西武バスはハイブリッドバス、燃料電池バスの導入や、バイオディーゼル燃料の導入など、地球環境負荷軽減に積極的に取り組んできたとしている。今回、この一環でRD燃料の使用を決定した。

 伊藤忠グループは日本でRDの輸入から輸送・給油に関するサプライチェーンを構築している。