マレリ本社

自動車部品メーカー大手のマレリホールディングス(HD)は6月24日、私的整理の一種である「事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)」と同じ枠組みで、事業再生計画を早期に成立させることができる民事再生手続「簡易再生手続」に移行すると発表した。同日に開催した第3回債権者会議では全債権者からの同意は得られなかったものの、95%を超える同意が得られたことから、早期の計画成立に向けて再生手続の変更を決めた。

簡易再生手続は、事業再生ADRの延長手続きと位置付けられている。そのため対象は金融機関のみで、仕入れ先などとの商取引債権は保護され、事業継続も可能。再生計画も事業再生ADRと同一となる。

事業再生ADRでは債権者全員の同意が必要だったが、簡易再生では60%以上の同意で済む。マレリHDの場合はすでに95%以上の同意を得ているため、「確実に再生計画の成立が見込まれる」(弁護士)としている。

マレリHDは同日、東京地方裁判所に再生手続き開始の申し立てを申請。7月中旬に開く債権者会議によって再生計画案が可決される見込みで、8月上旬には同計画に基づく資本再生計画を完了させる計画となっている。