ソルテラ

 スバルは、2022年度の国内新車販売計画を12万台に設定した。半導体不足やコロナ禍による部品の調達難で販売台数が低迷した21年度実績と比べて約3割増の水準となる。供給力の回復による受注残の解消や新型車効果を織り込んで大幅な台数増を見込む。ただ、6月に入っても国内工場の操業を一時停止する状況は続いており、計画達成には不透明さも残る。

 12万台の内訳は登録車が9万台以上、軽自動車が2万台以上。21年度の新車販売台数はサプライチェーン(供給網)の混乱による部品調達難で同15・0%減の8万9994台だった。コロナ前の19年度実績(12万9987台)には及ばないものの、21年度比では33・3%増と大幅に回復する見通し。他の自動車メーカーも22年度は販売増加を見込むが、トヨタ自動車は0・2%増、日産自動車は19・2%増、ホンダは0・5%増となっている。スバルが目標を達成すれば、大手3社を上回る増加率を実現することになる。

 同社の22年度の販売をけん引するのがSUVだ。21年に大幅改良した「フォレスター」の販売に注力する。台数規模は大きくないものの、電気自動車(EV)の「ソルテラ」もオーダーを積み上げており、すでに一部グレードは年度内に納車できる受注分を終了した。また、主力の小型SUV「XV」も全面改良のタイミングを迎えており、これ以降には販売台数の拡大が見込まれる。

 国内市場では納期の長期化や円安による家計の圧迫などを背景に、消費マインドの冷え込みを懸念する見方もある。しかし、スバルでは他の自動車メーカー同様に21年度の供給難で多くのモデルの受注残が積み上がっているため、供給力が回復すれば販売台数を押し上げるのは間違いない。

 ただ、足元の状況は厳しい。4、5月のスバルの新車販売台数(軽自動車含む)は、前年同期比9・3%減の1万2132台だった。半導体不足に加え、中国のロックダウン(都市封鎖)の影響で、6月上旬まで国内工場の稼働を断続的に停止する状況が続いている。さらに、一部のエンジンに不具合があった影響で、対象車の生産が4月下旬以降ストップしている。当該モデルの生産は6月中旬に再開する方針だが、「部品調達難のリスクは今年度も残る」(中村知美社長)見通し。〝強気〟の販売計画を達成できるかどうかは、サプライチェーンの動向次第と言えそうだ。