出典:NEXCO中日本
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 中日本高速道路(NEXCO中日本、宮池克人社長、名古屋市中区)は、高速道路の舗装を開削することなく路面から深層部を補修する技術を開発すると発表した。工事に伴う車線規制時間の短縮化やコスト削減が期待できる。当面は部分的な損傷への補修を対象とし、2023年度末までの開発完了を目指す。

 開発に取り組む技術は、路面から注入用の機具を脆弱化した深層部まで差し込み、セメント系やアスファルト系の材料を注入することで、予防保全として舗装の損傷範囲が拡大する前に補修するもの。コンクリートコーリング(小澤純社長、東京都練馬区)、東亜道路工業と共同で開発する。

 高速道路の舗装は、一般的に4層で構成される。これまでの舗装の損傷は、主に路面に近い層で発生し、損傷部分の舗装を打ち替えて補修してきた。近年は、土砂化や永久変形の発生などにより舗装の深層部での損傷が増加傾向にある。深層部の補修には上層部を含めて打ち替える必要があるため、工事に伴う車線規制が長く、コストも大きくなるなどの課題を抱えている。