全日本トラック協会(全ト協、坂本克己会長)は、トラック運送事業者の働き方改革の進捗に関するモニタリング調査の結果を発表した。それによると、時間外労働時間(法定休日労働を含まず)が960時間を超えるドライバーがいる事業者の割合が、前回調査比0.9ポイント減の27.1%となり、若干の改善がみられた。しかし、依然として3割近くを占めており、全ト協が目標とする2024年度までの「960時間超ゼロ」の達成には、さらなる取り組みが必要な状況だ。

 調査は、2022年1月に運送事業者1192社(前回調査と同じ事業者)を対象に実施。727社から回答を得て、ドライバーおよび事務職員など「一般労働者」の働き方改革の進み具合を調べた。

 一般労働者の時間外労働時間については、年720時間を超える事業者は同0.3ポイント減の13.8%となっており、ドライバーと比べ働き方改革の進んでいる様子が改めて示された。

 有給休暇の取得については、年次有給休暇付与日数が10日以上のドライバーについて、年休を5日以上取得させているかを尋ねたところ、「5日に満たない労働者はいない」が前回比2.8ポイント増の82.4%だった。また、一般労働者も「5日に満たない労働者はいない」が同3.0ポイント増の84.9%となり8割を超えた。

 また、月60時間超の時間外労働に対する時間外割増賃金率引き上げの準備については、「既に割増賃金率50%を適用している」が同0.7ポイント増の8%だった。そのうち「大企業であり既に適用」が同0.4ポイント増の4.1%、「中小企業だが既に適用」が同0.3ポイント増の3.9%だった。

 「2023年4月までに割増賃金率50%に対応できるよう、対策を検討している」は、同3.5ポイント増の53.4%だった。「まだ対策等の準備は行っていない」は18.8%で、前回より5.2ポイント減り、賃金改善の取り組みが進んでいる様子がわかった。