セーフティ・ドライビング・トレーナー

 人材派遣などを行うトヨタ出資子会社のトヨタエンタプライズ(高瀬由紀夫社長、名古屋市中村区)は、企業向けの交通安全対策ツール「セーフティ・ドライビング・トレーナー」の販売を31日から開始する。新製品は日本交通安全教育普及協会が監修したヒヤリハット体験プログラムを活用した運転シミュレーター。繰り返し体験することで危険予知の感覚を磨き、事故予防の能力向上と事故防止意識の低下を防ぐ効果が得られる。従業員に実施する社内教育などでの利用を想定しており、導入企業での事故削減に貢献していく考えだ。

 企業にとって従業員が関わる交通事故は、継続的な事業を行っていく上で大きなリスクとなっている。また、従来以上に社会的な企業価値を高めるため、交通事故の対策を含めて従業員の健康や働きがいを阻害しないように配慮する必要性も増している。同社では新たな対策ツールの提供で、こうした課題解決につなげていく。

 従業員向けの交通安全教育はこれまで、担当者による運転指導や自動車教習所などでの実車講習を行うのが一般的だった。しかし、コロナ禍でこうした取り組みを継続して行うのが難しいという背景もあり、新たなツールの活用が有効とみて販売強化を図る。

 体験できるコースは30コース。それぞれに天候や時間帯、3段階で難易度が設定できる。体験者ごとに診断データを保存でき、さまざまな分析が容易にできるという。

 本体価格は382万8千円、別途保守メンテナンス費用として年間11万9360円(消費税込み)。

(2022/5/30修正)