「産油国の原価を切っての叩き売りだった」―。製油所(カナダ)の機材不調から収容できなくなった原油と重油を密かに他国の港にタンカーで運び、闇ルートで売りさばく。これは安宅産業の崩壊をモデルにした松本清張原作「空の城」に登場する。経済紙に掲載された「ロシアタンカー寄港先不明3割」の記事で30年前に読んだ小説を思い出した◆ロシア船の寄港先不明は西側諸国…