ホンダeではさまざまなコネクテッドサービスも特徴としてアピールしていたが…

 自動車メーカーが有償で提供するコネクテッドサービスで一部機能を終了する動きが出てきた。ホンダはスマートフォン用アプリを車載ディスプレーで利用できる機能を今年度末に終了する。ダイハツ工業は車内でWi―Fi(ワイファイ)を利用できる「ダイハツWi―Fiサービス」を2024年に終える。利用件数が伸び悩んでいたことが一因とみられる。コネクテッドサービスはユーザーへの付加価値提供に加え、自動車メーカーの新たな収益源になる可能性を秘める。自動車メーカーは、無線通信で車載ソフトウエアをアップデートするOTA(オーバー・ジ・エア)などで継続的に収益を得られるビジネスモデルの構築を進めており、今後は運転支援機能のグレードアップなど、よりユーザーがメリットを感じやすい機能やサービスの開発を進めていく方針だ。

 ホンダが終了する機能はコネクテッドサービス「ホンダトータルケアプレミアム」のオプションとして提供する「ホンダアプリセンター」。対応するナビアプリ「ナビタイム」や「よってこ!」、ラジオアプリ「ラジコ」、音楽アプリ「AWA」などを車載ディスプレーで利用できる。20年10月に発売した「ホンダe」で無償提供を開始し、21年4月の「ヴェゼル」の発売に合わせて対応アプリを拡充するとともに月額330円(初年度無料)での有償提供を開始した。

 その後も、「フィット」や「シビック」に対応車種を拡充したものの、23年3月末でサービスの提供を終了することになった。ホンダは「よりよいサービスを提供していくための一環」とサービス終了の理由を明確にしていないものの、同機能の利用件数が伸びなかったことも一因になったとみられる。

 ダイハツも19年に開始した車載Wi―Fiサービスを終了する。19年11月にサービスを開始し、主にディスプレーオーディオの利用者向けに有償(3年無料)で提供していたが、24年9月にサービスを終える。

 自動車メーカーでは車載通信機の搭載車種拡大などに合わせてこの5年でコネクテッドサービスの拡充を進めてきた。ただ、「最初は無料で提供して裾野を広げても有料化のタイミングで顧客が離れる。運営コストをメーカーが回収するための機能の開発が課題」(ホンダ・コネクテッドサービス開発担当者)と、メーカーのビジネスモデルは確立されていないのが現状だ。

 自動車メーカーの中では、新車の販売で収益を得る「売り切り型」から継続的にユーザーから収益を得る「リカーリング型」へとビジネスモデルの転換を目指す動きがある。新車のリースやサブスクリプション(定額利用)と並んで、継続的な収益源として期待されるのがOTAを活用した既販車向けの機能追加サービスだ。ホンダは30年にOTAやコネクテッドサービスによる利益を数千億円規模に引き上げる方針を掲げる。現状のインフォテインメントシステムを中心にしたサービスの提供から運転支援機能の追加などへとユーザーにメリットを感じる機能をどれだけ提供していけるかが鍵になりそうだ。