2021年度の燃料課税の税収が過去20年間で最少となった。車両の電動化やガソリン車の燃費改善が大幅に進んだことで、01年度比で6千億円以上減収だった。政府は「35年に新車乗用車販売電動車100%」を目標に掲げており、ガソリン税収の先細りは避けられない状況だ。財務当局をはじめとする政府は、車体課税分と合わせて自動車関連諸税で9兆円規模の税収を維持したい考えだが、日本自動車工業会(自工会、豊田章男会長)をはじめとする自動車業界は、燃料課税の減収分を車体課税に転嫁しないよう求めている。中長期的な税制議論の焦点になりそうだ。

 21年度の揮発油税、軽油引取税、石油ガス税、消費税を合わせた燃料課税の税収は4兆1356億円となり、01年度以降で最も少なかった。コロナ禍による移動の自粛で交通量が減少したことが響いたと見られる。20年度と比べても約2千億円減収した。

 車両の電動化が進んだ影響も大きい。21年度は乗用車の新車販売におけるハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などの電動車比率が約42%となり、年度で初めて4割を超えた。HVやガソリン車の燃費改善も進み、車両1台当たりの給油量も減少傾向にある。ピーク時の1994年度末には全国に約6万カ所あったサービスステーション(給油所)は、資源エネルギー庁によると2020年度末には半分以下の約2万9千カ所にまで減っている。

 01年度には4・7兆円以上あった燃料課税の税収は、21年度には6千億円以上目減りした。電動化を背景に、今後も緩やかに減収していくと予想される。

 燃料課税、車体課税を合わせた自動車関連諸税は約8兆8千億円にも上り、日本の年間税収全体の約1割を担う。そのため、自民党税制調査会長を務める宮沢洋一参議院議員は「それなりの税負担、それなりの規模の税収を(今後も自動車に)お願いしなければいけない」と話す。

 一方、自工会の豊田会長は1月の会見で、燃料課税は「カーボンニュートラルが進むほど減収になるが、それをすべて車体(課税)側にやられるということは絶対に避けていきたい」と釘を刺した。特に地方では自動車は生活の足になっているため、増税などでユーザー負担が増えないよう要請した格好だ。

 燃料課税の減収が避けられない中、電動化を前提とした新しい税体系への転換が迫られている。安定した税収の確保と自動車産業の成長に資する税体系の両立が今後の課題になりそうだ。