スズキが11日に発表した2022年3月期の売上高は前年度比12・3%増の3兆5683億8千万円と3年ぶりの増収となった。21年3月期にコロナ禍で大幅に落ち込んだ反動で四輪販売台数が増えた。一方、営業利益は原材料価格の高騰や減価償却費の増加で減益が続いた。23年3月期は、原材料高騰の影響が続くものの、販売台数の増加効果で5期ぶりの営業増益を見込む。売上高は過去最高になる見通し。
22年3月期の四輪販売台数は、パキスタンやインドの増加で同5・3%増加した。原材料価格が1283億円の営業減益要因となった一方、販売台数の増加による1415億円、円安による為替差益425億円が増益要因となった。当期純利益は旧豊川工場跡地の売却益もあり、同9・5%増の増益となった。
23年3月期は、同7・4%増の四輪車販売を計画する。インドは同11%増加する見通し。原材料は鋼材価格の高騰などで850億円、研究開発費は393億円の減益要因となるものの、為替差益による300億円の増益効果もあり、営業増益を見込む。