大畑智常務執行役員

 今年で創業37年を迎えるオークネットは、2022年のテーマに顧客を成功に導くための活動「カスタマーサクセス」を掲げた。その一環として「共有在庫市場」の落札料を3900円にする「サンキューキャンペーン」を5月10日から7月31日まで実施する。同時に、同社が運営する「共有在庫・TVオークション(AA)」のサービスやルールを見直し、会員が利用しやすい環境を整える。大畑智常務執行役員は「日頃の感謝を込めたキャンペーンだ。サイトのリニューアルも含めて、ユーザーの目線に立った取り組みを続けていく」と語り、今後もサービス改善に向けた施策を展開していく。

 オークネットが「サンキューキャンペーン」を実施するのは、長年の顧客である中古車専業店をサポートしたいと考えたことがきっかけだ。開業当時、中古車ビジネスは独立系AA会場や中古車専業店が中心で、同社の会員も在庫車を豊富に持つ大規模中古車専業店が多かった。同社も他AA会場と同様に出品車両の集荷に注力した営業活動を行ってきたこともあり、深い関係性を築いてきた。時代が変わり、新車販売店の中古車部門や中古車買取店も参入。ビジネスモデルも変化し、中古車専業店は売る側から買う側へシフトした。「中古車専業店は当社にとって大切なパートナーだ。カスタマーサクセスの活動を考えたときに、買う側になった中古車専業店に対してどのようなことができるのか考えた」(大畑常務執行役員)と企画したのがサンキューキャンペーンだ。プレミアム会員限定で落札料を3900円に大幅値下げする。

 また、今回のキャンペーンを機にオークネオステーションハイパーのリニューアルにも着手した。同社の売りであるAIS検査付き車両が一目でわかるアイコンや成約率の高い販売店の車両に「Gold」(ゴールド)と「Silver」(シルバー)のアイコンを表示して、より安心して取引ができるようにした。また、同社としては初となる輸送サービスを実施する。概算輸送料金や納期が表示できるようになり、利便性が高まった。

 オークネオステーションハイパーの見直しについては「新しい目線で手直しをしていく」(同)としており、わかりやすく、シンプルで使いやすい内容にしていく方針だ。このほかにも新しい取り組みとして共有在庫の値引き交渉範囲の設定や商談成立後のキャンセル受付期限を商談成立後の翌営業日にするなど会員目線に立った取り組みを進めている。また、今後は会員制度の見直しも検討し、より多くの人に充実したサービスを活用してもらいたい考えだ。

 大畑常務執行役員は「当社は経営理念に本物主義を掲げており、“本物のサービスとは何か”という視点でカスタマーサクセスを進めていく。ぜひ安心してお使いいただきたい」「会員の皆さまには感謝しかない。皆さまの成功に伴走していきたい」と話す。キャンペーンを通じてこれまでの思いを伝えていく。