藤崎慎一郎社長

 オークネットは1985年に世界初の中古車テレビオークションをスタート。今年6月で37周年を迎える。常に最新技術を活用し、中古車関連事業者を支援してきた。同社は2022年のテーマに「SDGs」「カスタマーサクセス」を掲げ、「会員の皆さまへの支援をさらに加速させていく」(藤崎社長)計画だ。初回は藤崎慎一郎社長に今後の経営戦略などを聞いた。

 ―オークネットのこれまでの取り組みを教えてほしい
 「当社は1985年から開始した中古車テレビオークションを皮切りに、現在では中古バイクや花き、中古デジタル機器など6分野のオークション事業にも参入している。常に最先端の技術を活用しており、89年に始めたアナログ衛星通信方式は、米国ハーバード大学のケーススタディとして取り上げられた。今もアプリ開発やシステム投資などの最新技術を通じて自動車流通を支えている」

―今後の経営戦略は
 「新型コロナウイルス感染拡大の影響で中古車オークション(AA)の在り方も変化してきた。AAで現車を確認する方法からインターネットを通じて外部から応札する事業者が増えてきた。当社のシェアも上がってきており、我々のビジネスモデルが今まで以上に求められていることが分かった。こうした流れの中で、コロナ禍前からやっていた会員店をリモートでサポートするインサイドセールスをさらに強化していく。その一環として、顧客を成功へ導く『カスタマーサクセス』の考えを取り入れている。問い合わせに受動的に対応するのではなく、会員の皆さまとともに伴走する形で能動的に困りごとの解決につながるサービスの活用方法を提案していく。そのためにも1月には『カスタマーサクセス推進本部』を新設した」
 「また、当社のAAはオークション会場に車両や人が移動したりする必要がなく温室効果ガス(GHG)の排出削減にも寄与している。こうした『持続可能な開発目標(SDGs)』の観点からも、さまざまな取り組みを進めていきたい」

―「カスタマーサクセス」の概念を取り入れた具体的な施策は
 「近年はコロナの影響による〟タマ〟不足もあり、自動車流通業界は厳しい状況に陥っている。そのような中、AAから創業を開始した当社は、37周年を機に会員店が店頭で小売りをしながら業販を行える『共有在庫市場』の落札手数料を3900円にする『サンキューキャンペーン』を5月10日から7月末まで実施する。創業の節目の年にはさまざまなキャンペーンを行ってきたが、ここ2年間はコロナで実施できなかった。今回は、会員の皆さまにやっと感謝を伝えることができる」