豊田合成は13日、植物を原料としたセルロースナノファイバー(CNF)を配合したCNF強化プラスチックを開発し、自動車のグローブボックスとフロントピラーガーニッシュを試作したと発表した。今後、素材メーカーと連携してコスト低減に取り組み、2025年ごろに自動車部品での実用化を目指す。

 CNFは重量が鉄の5分の1、強度が5倍の素材。自動車部品に使用することで車体の軽量化による燃費改善につながる。使用済部品を加熱して溶かしても強度が低下しづらいため、新しい部品へのリサイクルが可能で、焼却する場合も原料の植物が育成する際に二酸化炭素を吸収するため、カーボンニュートラル材料となる。

 今回開発したCNF強化プラスチックは、車の内外装に使われる汎用樹脂(ポリプロピレン)にCNFを20%配合した。これまで耐衝撃性が課題だったが、同社が培った材料の配合設計や混練技術によって自動車部品に使用できるレベルまで耐衝撃性を高めることに成功した。

 今夏に同社の工場間での物流工程に用いる通い箱にCNF強化プラスチックを使用して品質テストする予定。