セントラル硝子は1日、欧米の自動車ガラス子会社2社の全株式を米投資会社アトラスホールディングスに譲渡すると発表した。これにより自動車用を含む海外での全てのガラス事業から撤退することになる。譲渡に伴い、2022年3月期に特別損失約475億円を計上する。同期の最終損益は、従来予想の25億円の黒字から380億円の赤字となる。

 米国のカーレックス・ガラス・アメリカと欧州のカーレックス・ガラス・ルクセンブルクの全株式を、アトラス社が設立した特別目的会社に譲渡する。譲渡額は非公開。ドイツの競争法上の許可を得てからの譲渡となるため、実行日は未定としている。

 同社はガラス事業を構造改善事業と位置付け、抜本的な構造改善に取り組んできた。海外向け自動車ガラス事業は、中国勢との激しい価格競争から苦戦。20年度の同事業の売上高は、前年比23%減の505億円だった。

 すでに米国建築ガラス事業、台湾電子材料用ガラス事業の事業撤退を決定しており、今回の譲渡で全ての海外ガラス事業から徹底することになる。今後は、生産能力が過剰状態にある国内ガラス事業での構造改革を進めるとともに、化成品事業に注力する方針だ。