川崎重工業は28日、多用途UGV(無人地上車両)による工場内の無人物資輸送の実証実験に成功したと発表した。明石工場(兵庫県明石市)のモーターサイクル製造ラインでの有人トラックによる工場内のエンジン運搬を多用途UGVに置き換えられることを実証した。今回得た知見を基に将来の実用化を検討する。

 実証実験では、多用途UGVに1回当たり15台のエンジンを積載し、エンジン工場から約300㍍離れたモーターサイクル組立工場まで搬送した。多用途UGVの活用で有人トラックでのエンジン運搬業務の効率化が見込める。

 多用途UGVは、カワサキモータース製のオフロード四輪車「MULE(ミュール)」に無人自律走行用のシステムを搭載。無軌道走行のため、工場への導入には追加設備が必要ない。走行ルートも柔軟に変更できる。

 今回の実験車両ではパワーユニットはモーター、足回りはオンロードスタイル、車上設備はキャリアスタイルを採用した。エンジンを搭載したオフロードスタイルや人が乗車するシートスタイルなどカスタマイズにも対応する。