グジャラート工場

 スズキは、電気自動車(EV)や車載電池の生産などにインドに約1500億円(約1044億㍓)を投じると発表した。完全子会社のスズキモーターグジャラート(SMG)の生産能力をEV生産のために増強するとともに、その隣接地に電池工場を建設する。インド政府がEVの普及を促進する中で、現地シェアトップのスズキは生産体制を構築し、2025年にもEVを投入する。

 岸田文雄首相の訪印に合わせてニューデリーで開催された日印経済フォーラムで、スズキとグジャラート州がEVに関連する投資の覚書きを締結した。25年のEVの生産開始のために310億㍓、26年に稼働する電池工場の建設のために730億㍓を投じる。

 スズキは18年からインドでEVの実証実験を進めるなど開発を進めてきた。インド政府は30年までに新車販売に占めるEV比率を3割に引き上げる目標を掲げており、スズキも商品投入に乗り出す。車載電池では、すでにデンソーと東芝と合弁でハイブリッド車(HV)用の電池を生産する工場を持っており、SMGでEV用、3社の合弁会社でHV用の電池を作り分けるとみられる。

 スズキはこのほか、車両のリサイクルなどを手がけるマルチスズキと豊田通商グループの合弁会社に約4億5千万㍓を投資し、カーボンニュートラルへの対応を進める。