オイルシールのトップメーカーであるNOKのシール製品は、自動車や建設機械、船舶、航空機、エアコンなど幅広い分野で活躍している。

 自動車の電動化が進み、工場やサービス業でロボットの活用が広がる中、電動車やロボットに使われるモーターやインバータなどの発熱する電子部品の熱マネジメントが課題となっている。NOKは、この課題に対する解決策として、粘土状で自在に変形できる熱伝導部材「Tran‒Qクレイ」を開発した。Tran‒Qクレイは変形の自由度が高いため、熱源と放熱先のハウジングやヒートシンクなどの間で、複雑な形にも追随して熱伝導を助けることができる。

 一方で、グループで保有するフレキシブルプリント基板(FPC)は、柔軟性の高い回路基板で、電子機器の小型化に欠かすことのできない製品である。一般的なFPC以外にも、低損失材料を採用した「高速伝送用FPC」、熱対策として「耐熱用FPC」「放熱用FPC」、生体信号取得を可能にした「伸縮用FPC」などでさまざまな用途の高機能化に貢献する。

 同社は今後、今までの製品に付加的な機能を付けたものや複合機能を持つ製品群の開発を進めることで、顧客のニーズに応えていく。