トヨタ車体は10日、1人乗りの超小型電気自動車(EV)「コムス」を一部改良し、積載量を拡大したと発表した。道路交通法の改正に伴う「ミニカー」の積載量緩和に伴い、コムスの積載量も最大3倍の90キログラムまで引き上げた。4月1日から全国のトヨタ系ディーラーで販売を開始する。

 コムスの積載量はこれまで最大30キログラムだったが、個人ユーザー向けの「P・COM」、宅食配送などに使われる「B・COMデリバリー」は45キログラム、飲料など宅配向けの「B・COMデッキ」は90キログラムに拡大した。積載量が拡大することで拠点への戻り回数も減り、より効率的な運用が可能となる。

 普通充電で満充電まで約6時間、JC08モード相当の最大航続距離は57キロメートルと、積載量は増えてもスペックに変更なくパーキングブレーキかけ忘れ/戻し忘れ警告機能や、充電ケーブルの長さを延長するなど、ユーザーの声を採り入れた変更も行った。

 現行の2代目コムスは2012年7月に登場し、これまで約9500台を販売している、ユーザー層は個人が2割、残りは法人となっている。価格(消費税込み)は79万9700円からで、クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金(CEV補助金)額(21年度実績)は20万円となっている。

(2022/3/11修正)