日産自動車は3月9日、2022年の春季労使交渉で労働組合側の賃上げ、一時金の要求額に満額回答する方針を組合に伝えたと明らかにした。組合側は平均賃上げ額で前年より1000円高い月8000円、一時金は前年を0.2カ月上回る5.2カ月分を要求していた。2年連続での満額回答となる。組合には16日に正式回答する予定。

日産は半導体不足や物流混乱、原材料価格高騰の影響を受けるなかで22年3月期に3年ぶりの黒字化に転じる見通し。内田誠社長は「従業員一人ひとりの苦労と頑張りによる所が大きいことを改めて認識した」と評価し、満額回答する意思を伝えた。ウクライナ情勢が世界経済にも大きなインパクトを与えると想定せざるをえないなかで「気を緩めることなく邁進していく必要を労使で認識していることを交渉で確認できた」とも評価した。