トヨタ自動車は3月3日、ロシアのサンクトペテルブルク工場を4日から当面の間、稼働を停止すると発表した。ロシアのウクライナ攻撃に伴い、日本や欧州からの部品調達やロシア国内の物流に問題が生じたため生産活動の継続が困難だと判断した。同様の理由で同日からロシア向けの完成車輸出も停止する。トヨタは「広く公正な視野で事態を見極めた上で、必要な意思決定をした」とコメントした。
サンクトペテルブルク工場では、ロシア向けの「カムリ」「RAV4」を生産している。2021年の生産実績は8万172台。販売・サービス拠点数は168で、21年の新車販売実績は11万9178台だった。ロシア市場はトヨタファンも多く、収益が高い車種が売れるマーケットなだけに今回の事業停止に伴う経営への影響は小さくないとみられる。