ENEOS(エネオス)ホールディングスは10日、齊藤猛副社長執行役員・取締役が4月1日付けで社長に昇格する役員人事を発表した。事業会社のエネオスの社長も兼務する。大田勝幸社長は持株会社の代表権を持たない副会長となり、取締役会議長を務める。エネオスの役員は退任する。杉森務会長グループCEOは留任する。

 2022年度は同社の第二次中期経営計画の最終年度に当たり、脱炭素化社会という事業環境の変化を見据えた次期中期経営計画を、新しいトップが策定段階から関わるために社長交代する。

 社長に就任する齊藤氏は日本石油出身で、主に販売畑を歩み、現在はEV(電気自動車)事業推進部も担当。齊藤氏は同日のオンライン会見で「今後、移動の手段が大きく変わる。とくにEVを選択する顧客が増えるのに対してサービスステーションはどう応えていくのか。EVは給電するのにかかる時間をどうするのかや、電気を売るポイントもカギになる」と述べ、水素や合成燃料を含めて脱炭素社会の燃料インフラへの対応に取り組む姿勢を示した。

 齊藤猛氏(さいとう・たけし)1986年早稲田大学政治経済学部卒、同年日本石油入社、2017年JXTGエネルギー執行役員、20年エネオス常務執行役員、21年エネオスホールディングス副社長・社長補佐兼エネオス副社長・社長補佐。59歳、熊本県出身。