スバルは7日、2022年3月期の通期業績見通しを下方修正すると発表した。昨年11月5日に発表した前回見通しと比べ、売上高が2千億円少ない2兆7千億円に、営業利益を500億円少ない1千億円、当期純利益を350億円少ない750億円に修正した。通期の増収増益を見込んでいたが、半導体や部品供給不足が想定以上に長期化した影響で、減収減益見通しとなった。部品供給の先行きが不透明なため、通期の生産計画は取り下げた。

 21年4~12月の販売台数は前年同月比13・1%減の54万8千台だった。国内の新型「アウトバック」、米国の「フォレスター」の追加モデルなど新車の引き合いは強かった。ただ、半導体や部品不足による生産影響が4~12月期で約21万台と、前回決算発表時に17万台としていた通期の影響台数を上回る規模で発生し、販売台数は減少。さらに22年1~3月期も「1月下旬に想定以上の部品供給不足が発生し、国内生産拠点が操業停止になった」(水間克之取締役専務執行役員)と予定通りに挽回生産が進まず、通期計画の修正を迫られた。主力の米国市場の在庫水準は6日分と依然として低く、バックオーダーも4万2千台に積みあがった。水間取締役は半導体不足の影響が他社より長引いている点について「比較はできない。ただ、生産拠点も車種も絞っており、部品の共通化も進めている。一つの断面でみれば影響が大きく出ることもある。これは選択と集中の戦略の宿命」と説明した。

 営業利益は、円安による為替差益があったことに加え、販売奨励金の抑制や利益率の高いモデルへのミックスの改善などで収益改善を図ったが、想定以上に販売が落ち込んだ影響と原材料や物流費の高騰で4~12月期、通期見通しともに前年を下回る水準となった。