都内乗り合い(一般路線)バス各社が運賃改定(値上げ)申請に動き出す。東京バス協会の南正人会長(国際興業社長)は3日の会見で、コロナ禍が響き乗り合いバスの経営状況が厳しいことから、今年中に自社(国際興業)が値上げ申請を行うと明言した上で、協会加盟各社も追随する見通しを示した。都内路線バスの運賃値上げは、消費増税分の引き上げ時を除く原価部分では1997年以降行われていない。各社からは「もう限界だ」との声が相次いでおり、厳しい状況に理解を求めていくことになる。

 南会長は「多くの事業者で、テレワークの浸透などにより従来の黒字路線が赤字化している」「雇用調整助成金も、乗り合いはダイヤの本数をすぐには減らせないので(業績改善には)関係ない」などと苦境を説明し、「運賃改定が唯一の経営改善策。期待は大きい」と述べた。

 その上で自社の状況について、すでに申請準備に取り掛かっていることを明らかにする。その一方、1円単位のIC運賃と四捨五入する現金払いの扱いや、値上げ申請に必要な原価・人件費などの比較年度をいつにするかなど国土交通省の対応が明確になっていない。このため、申請準備作業から実際の申請、改定実現まで2年程度はかかるとの見通しを示した。

 さらに南会長は、協会に加盟する乗り合い事業者のほとんどが大手のため「数十億円の赤字を抱えているにも関わらず表面化していないだけだ」と、運賃値上げの必要性は各社とも同じで、今後各社も次々と申請に踏み切ることになると話した。