スズキが4日発表した2021年4~12月期連結業績は、売上高が前年同期比18・3%増の2兆5743億円と3年ぶりの増収、営業利益が同5・7%増の1466億円と4年ぶりの増益となった。前年同期がコロナ禍の影響があったことから大幅な増収増益となったものの、売上高、営業利益ともコロナ禍前の水準を下回っている。通期業績見通しは四輪車の世界販売台数予想を前回予想値から上乗せしたため売上高を上方修正したが、原材料価格の高騰などで営業利益は据え置いた。

 4~12月期の営業利益は、為替差益で323億円の増益効果があったものの、原材料価格の高騰で890億円の減益効果があった。四輪車の世界販売は同11・0%増の194万9千台と伸びたが、コロナ禍前の19年比では9・8%減にとどまっている。主力のインド販売は前年同期比8・4%増の95万8千台と好調。

 半導体不足など部品供給難による通期の減産影響は前回発表時に約64万台を見込んでいたが、45万台にとどまる見込みとなり、四輪車販売台数を前回公表値から17万9千台上乗せした。想定為替レートを見直したこともあって売上高は前回予想から2千億円増の3兆4千億円を見込む。