国土交通省は21日、二重計上などの問題が明らかになっていた「建設工事受注動態統計調査」の不適切処理における処分を発表した。事務次官をはじめとする職員10人を減給や訓告、戒告とした。

 斉藤鉄夫国土交通相など政務三役は給与を自主返納する。国交省では再発防止策に加え、同統計を過去に遡って修正する手法を検討する2つの会議体を20日付で設置した。斉藤国交相は「国交省所管の統計を点検していく」としており、自動車関連の統計も調査されることになるとみられる。

 一連の不適切事案について斉藤国交相は「統計は政策立案や経営判断の基盤として常に正確性が求められるもの」と統計の重要性を指摘した上で、「不適切な処理が行われてきたことは極めて遺憾」と陳謝した。今後、有識者や関係省庁と連携して再発防止策の検討を進めるなどし、「信頼回復に全力で取り組む」とした。

 また、同統計の遡及改定に向けては2021年度分の公表時期である5月までに「一定の結論を出したい」考え。再発防止策については調査が多岐にわたるとみられることから「少し時間がかかる」見通しを示した。