LNG燃料自動車専用船では世界初の機構を搭載した「オート・アドバンス」

 日本郵船は、スウェーデンのワレニウス・ラインズと折半出資する欧州域内完成車輸送事業会社「ユナイテッドヨーロピアンカーキャリアズ」が、11月26日に中国の江南造船から液化天然ガス(LNG)燃料自動車専用船の引き渡しを受けたと発表した。同船はバッテリーハイブリッドシステムをLNG燃料自動車専用船として世界で初めて採用したことが特徴。従来よりも効率的な主機関、発電機関の運転によって、硫黄分や窒素酸化物の排出を9割程度減らせるほか、地球温暖化ガスの排出削減と燃費改善に効果を発揮するという。

 バッテリーハイブリットシステムは、主機で駆動する「軸発電機」とバッテリーを組み合わせて用いることで、効率良く船内電力を供給し環境負荷を低減させる機構。発電機に不具合が生じた際には、バッテリーから船内に給電することで電源喪失を回避し、運行の安全性を確保することが可能という。 

 LNG燃料化とバッテリーハイブリッドシステムの搭載により、従来の重油焚き船に比べ硫黄酸化物(SOx)を約90%、窒素酸化物(NOx)を約85%、二酸化炭素(CO2)を約25%それぞれ排出削減が可能と試算する。

 同船は「オート・アドバンス」と命名され、欧州域内の完成車輸送に従事する予定だ。