国内タイヤメーカー4社の2021年12月期業績見通しが、原材料価格や海上運賃の高騰により圧迫されている。21年1~9月期では各社とも補修用タイヤを中心に販売を伸ばしており「モノは売れている状態」(トーヨータイヤ)だが、外的要因による影響を織り込み、住友ゴム工業は前回公表値から下方修正、ブリヂストンとトーヨータイヤは据え置きとした。一方、横浜ゴムは上方修正した。4社とも1~9月期決算は好調だが、先行きが不透明で各社の業績の見通しは一貫性を欠く。

 原材料価格では「天然ゴム価格は昨年からの高値がやや落ち着いたが、原油価格が7~9月期で大幅に高騰した」(ブリヂストンの吉松加雄CFO)影響を受けた。加えて、海上運賃の高騰も発生しており、「6月以降、(海上運賃の)影響が大きく出ている」(トーヨータイヤ)。ブリヂストンでは10~12月期で「7~9月期の倍は影響を受けそう」(吉松加雄CFO)と想定する。

 こうした懸念材料の解消次第で今後の見通しが難しくなっている。住友ゴムは21年12月期業績予想で、売上収益を前回公表値から50億円減の9250億円、事業利益を90億円減の460億円、当期純利益を65億円減の290億円に下方修正した。スポーツ事業のみが収益ともに上方修正しているものの、タイヤ事業と産業品他事業を下方修正した。

 ブリヂストンとトーヨータイヤは前回公表値を据え置いた。トーヨータイヤは「設定している営業利益480億円を確実に確保する」ことを優先する。

 横浜ゴムは新車向けタイヤ販売の動向や物流の混乱、中国での電力不足など不透明感は残るものの、前回公表値から事業利益は10億円増の525億円、当期利益は7億円増の528億円に上方修正した。通期の事業利益では原料価格で155億円のマイナスを見込むものの、販売量の増加や価格MIX効果により利益を積み増していく。

 1~9月期では各社ともに補修用タイヤの販売が好調だった。半導体不足などにより自動車の減産で部品サプライヤーが打撃を受ける中、タイヤメーカーでは新車用タイヤと一部の自動車用部品で影響を受けた。ただ、北米や欧州などを中心に補修用タイヤの販売が好調だ。北米では労働者確保の問題があるものの、「(8月の中間決算時期に比べると)解消はしつつある」(トーヨータイヤ)と徐々に好転傾向にあるもようだ。

 懸念材料が重なる中でも各社は価格改定を進めたり、高収益タイヤの販売注力で収益確保につなげていく。