トヨタ自動車は29日、2022年年央に世界の主要市場に投入する新型電気自動車(EV)「bZ4X」の車両概要を発表した。トヨタ初となるEV専用プラットフォームの採用によって1クラス上の室内空間を確保。バッテリー容量は71・4キロワット時で航続距離は500キロメートル前後とし、乗員足元の輻射ヒーターといった消費電力を減らす装備や高効率なルーフソーラーパネルなどの採用で航続距離を確保する。ステアバイワイヤシステムやスバルとの共同開発による全輪駆動(AWD)システムなどによって走りの楽しさも追求した。
ボディーサイズはSUV「RAV4」とほぼ同等としながら、EV専用プラットフォーム「e―TNGA」の採用によってホイールベースはRAV4に対しては160ミリメートル伸ばし、Dセグメントセダン並みの前後シート間距離を確保した。床下には薄型大容量電池パックを平置きで配置し、機電一体のイーアクスルや充電と電力分配機能を集約したエレクトリシティサプライユニット(ESU)をトヨタで初採用するなど低重心化や軽量化を図った。
モーターは前輪駆動(FWD)が150キロワット、AWDは前後にそれぞれ80キロワットのモーターを搭載する。AWD車は前後モーターの独立制御で回頭性などを向上させるとともに、スバルのAWD技術「Xモード」を採用しオフロード走破性などを高めた。
急速充電は150キロワットに対応し、30分で80%まで充電可能とする。EVでネックとなる冬場の暖房利用の航続距離確保に向けて、シートヒーターや前席足元の輻射ヒーターなど室内空間でなく乗員を直接温める装備などで省電力化を目指した。
ステアリング操作を機械的でなく電子的にタイヤに伝えるステアバイワイヤシステムと異形ステアリングホイールもトヨタとして初の実用化。ステアリングの回転角度は持ち替え不要な150度に設定した。ドライブモードセレクトと連動してステアリング特性も変更する。