ホンダは29日、交換式バッテリーパックを使用した電動三輪タクシー向けのバッテリーシェアリングサービスを2022年前半にインドで開始すると発表した。ホンダが同事業を手がける現地法人を新設し、三輪タクシーメーカー向けにバッテリーパックの採用を促すとともに、交換ステーションを配備する。

 新たに開発した交換式バッテリー「モバイルパワーパックe」を三輪タクシーサービスを提供する個人事業者に貸し出すビジネスを開始する。インドでは今年2月から30台の三輪タクシーを用いた実証実験を実施しており、事業性のめどがついたことから本格展開に移行する。ムンバイなど一部地域にステーションを設置し、順次対象エリアを拡大していく。

 ホンダは交換式バッテリーの用途を拡大し、ステーションとともに普及させることで、変動の激しい再生可能エネルギーの調整役に活用するビジョンを描く。今後は、すでに実用化している二輪車のほか、三輪タクシーや建機、除雪機、船外機などに用途を広げるとともに、同時に系統に電力を供給するステーションなどの開発も進める。

 同日、国内で二輪車用にリース販売した新型バッテリーは従来モデルと比べて容量を25%向上。セルに加え、パック内の構造を見直し、コスト削減や耐久性アップを実現した。22年には自社製品への適用を検討する事業者向けに8万8千円(消費税込み)で販売する。