三菱自動車は28日、アウトランダーのプラグインハイブリッド車(PHV)を約8年ぶりに全面改良し、12月16日に発売すると発表した。電気自動車(EV)として走行できる距離を伸ばしたほか、国内自動車メーカーのPHVで初めて7人乗りを設定したことが特徴だ。国内販売が伸び悩む三菱自だが、主力のPHVの全面改良で販売をテコ入れする。
2013年に初代を発売してから初の全面改良となる「アウトランダーPHEV」は世界累計29万台を販売する同社の主力モデル。今回の全面改良では新世代のプラグインハイブリッドシステムを搭載し、EV走行距離を現行モデルに比べて約5割アップした。モーターの出力もフロント、リアともに4割ほど向上し、走行性能を高めた。
日産自動車が開発を主導したプラットフォームを活用するものの、三菱自のデザインアイデンティティである「ダイナミック・シールド」の採用などで同社らしいエクステリアデザインに仕上げた。独自技術であるプラグインハイブリッドシステムや車両運動統合制御システム「S―AWC」の採用と独自のデザインで個性を打ち出す。
28日のオンライン発表会で三菱自の加藤隆雄社長は「これまで進めてきた販売改革の成果が見えるようになってきたタイミングでPHEVを投入できる。これから販売を上向かせていく」と述べ、新型車への意気込みを語った。新型車では今年度内に5千台の受注を目指す。
アウトランダーPHEVは日本を皮切りに、豪州やニュージランド、北米、中国などに展開する予定。日本での価格は462万1100円~532万700円(消費税込み)。