ROXX(ロックス)中嶋汰朗氏

 2013年に創業したROXX(ロックス、中嶋汰朗社長、東京都港区)は、人材紹介会社と求人企業を紐づけて効率的な採用を支援するシステム「エージェントバンク」、月額定額制のリファレンスチェックサービス「バックチェック」を2本柱に、主にサービス業における中途採用支援で実績を重ねてきた。デジタルトランスフォーメーション(DX)による自動車販売・整備業界の活性化を目指すジールス(清水正大代表取締役CEO、東京都目黒区)と日刊自動車新聞社は10月29日、無料オンラインセミナーを共催する。セミナーで中嶋社長は、入社後の活躍に着眼した中途採用ノウハウを発信する。

ワンストップで人材紹介400社に求人

 ―「エージェントバンク」は自動車販売会社でも採用されている
 「この人材採用支援プラットフォームは、求人企業が約400社の人材紹介会社にワンストップで求人情報を提供可能なシステムで、求人企業がコストをかけずに効率的な採用活動を展開できる仕組みになっている。400社という多数の人材紹介会社がパートナーとなっている点がこのシステムの最大の強みで、採用確度を高めやすい。転職サイトの求人票では法律上細かい求人指定を行えないが、人材会社向けならこれが可能なので、ニーズに合った人材を紹介されやすくなる」

 ―「バックチェック」の採用企業が急増している
 「人材不足を解決するには、いかに採用するかも課題だが、採用後にいかに活躍してもらうかが最大の着眼点になるだろう。活躍の可能性がより高い人材を確実に採用するためには、面談頼みではなく、採用候補者の承諾を得た上で『候補者の評判』を前職場に照会するリファレンスチェックが有効だ。内密に進めがちな転職活動で、前職の上司や同僚などに照会協力を頼める候補者はそれなりの人材だろう。当社サービスの採用で社員定着率が2倍以上に高まった例もある」

 ―自動車業界の採用環境をどう思うか
 「他業界に比べ、中途採用者に対する期待値が低いほか、社内的理解が進んでいない印象だ。さまざまな新たな採用手法が生まれているにも関わらず、自動車販売業界の採用手法は10年前とあまり変わらず、他社で前例があるか否かを重視する傾向が強い。新たな手法の導入が進まない背景には、上司や社内に対する『説明コスト』が高い点にあるだろう。車に乗らない若年層は幅広い業種を選択肢としているため、彼らの興味を引き寄せるには、自社の見せ方に工夫が必要。他業界の取り組みをもっと見てみることで、新たな採用手法を試すのも一手だろう」

 ―今後何を目指すか
 「採用における課題に業種の違いは関係ない。日本の労働人口は今後減少するほか、70~80歳まで働くことになる可能性が見えてきている。このような時代は、いつでもやり直しがきくはずだし、頑張れば頑張るほどチャンスが広がる環境を生み出したい。人材紹介会社は約3万社あるが、これを1つのプラットフォームに集約できれば情報共有が進み、より一層効率的な採用が可能になる。またバックチェックにより、頑張っている人が報われるようにしたい。セミナーでは、具体的な採用コストやリファレンスの内容など実績を紹介したい」

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