輸入車市場でハイブリッド車(HV)が増加傾向にある。日本自動車輸入組合(JAIA、ティル・シェア理事長)によると、外国メーカー車新車販売のうち、HVの占める割合は2021年1月に初めて10%を超え(前年同月は5・5%)、足元では20%前後で推移する。各ブランドで電気自動車(EV)への将来的な移行が具体化する半面、EVラインアップの拡充が途上にある中で新車電動化率を引き上げるためにはHVやプラグインハイブリッド車(PHV)の展開が不可欠。主力車種の全面改良などのタイミングで各ブランドがHVを追加したことが、販売実績にも反映されている。

 外国メーカー車のHV販売シェアは上昇傾向にあり、20年1月に初めて10%を超え、6月には初めて20%を上回った。直近の8月実績も、前年同月比16・9㌽アップの21%と大幅に伸長している。

 この間、国内ではフォルクスワーゲン(VW)の主力ハッチバック「ゴルフ」が全面改良を機に全グレードをマイルドハイブリッド車(MHV)とするなど、販売実績の豊富な内燃機関車をHV化する動きが活発になっている。メルセデス・ベンツ(MB)も新型「Cクラス」で全グレードをMHVまたはPHVとして国内展開するほか、アウディも価格改定などのタイミングでディーゼルエンジン車へのマイルドハイブリッドシステム導入を進める。

 背景にあるのは、新車電動化率を早急に引き上げたいとする各ブランドの思惑だ。VWの「ID.」やMBの「EQ」、アウディの「e―tron(イートロン)」など、各ブランドからEVシリーズが登場しつつあるが、ラインアップは未だ僅少だ。充電インフラの普及が途上であることや、既存の内燃機関車よりも割高な価格設定など、市場定着に向けた課題も山積する。

 こうした中、とりわけ12㌾や48㌾など出力の低いマイルドハイブリッドシステムを導入することは、プラットフォームの大幅な変更や急激な価格上昇を伴うことなく迅速な電動化率向上を実現できる。あるインポーターの商品担当者は「20年代後半に発売する新車を全てEVとするのは既定路線だが、25年までに(HVを含めた)電動車比率を100%に近付けることも本国のミッションだ」と話す。

 半面、ハイブリッドシステムを搭載しないクリーンディーゼルエンジン(DE)車のシェアは退潮傾向に差し掛かっている。20年7月には37・6%でピークを迎えたが、21年8月は25・3%と20年2月以来の低水準となり、HVとの差は4・3㌽にまで詰まっている。DE車のHV化も一因と見られるが、欧州勢を中心に好調だったDE車がHVに置き換わりつつある実態が示された格好だ。