自動車メーカーの生産活動に東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大による部品の供給不足や半導体不足の長期化の影響が広がり続けている。国内自動車メーカーの期初見通しに対する今期の合計減産台数は、現時点で少なくとも合計100万台を超えた。各社は下期以降の増産で上期の減産を挽回する方針だったが、「秋以降も見通せない」(日本自動車工業会)と、先行きは読めない。

 期初時点では半導体不足が下期までに一服すると予想されていたが、足元では東南アジアで新型コロナの感染が拡大。特にマレーシアとベトナムから輸入する部品や半導体の供給が滞り、各社は減産を迫られた。

 トヨタ自動車は10日、部品不足の影響で世界生産計画を期初計画比30万台減の900万台に下方修正すると発表。「アクア」「カローラクロス」といった新型車を立て続けに投入する同社だが、東日本のトヨタ系ディーラーの社長は「豊富な新型車を生かせない」と、納期の長期化や購買意欲の冷え込みを懸念する。

 ダイハツ工業は8月中旬に9月の大幅減産を発表した後、9月9、14日にそれぞれ追加で稼働停止日を発表した。8月下旬から9月に計5万台の台数影響が出る見通し。要因はベトナムのロックダウン(都市封鎖)で、「現地のロックダウンが延期されるたびに稼働停止も延期になる状況」(ダイハツ)だ。

 海外生産への影響では、新型コロナ感染が拡大するマレーシアやベトナムのほか、マツダは8、9月にタイとメキシコの工場の稼働を一時停止。三菱自動車はタイ工場で生産するモデルのうち、9月中はほぼ全ての稼働を止めるモデルがあるという。

 商用車メーカーでは、いすゞ自動車が藤沢工場(神奈川県藤沢市)の上期(4~9月)の減産幅が1万3千台に上ることを明らかにした。同工場は8月下旬に稼働を一時停止した後、再開したものの、いまだ稼働率の低い状態が続く。三菱ふそうトラック・バスも川崎製作所(川崎市中原区)の稼働を9月中に一時停止する。

 一連の部品不足のほか、スズキは相良工場(静岡県牧之原市)で従業員28人の感染が発覚し、14~16日間まで稼働を停止した。稼働停止分は早期に挽回する方針だ。国内では2回目のワクチン接種を終えた人の比率が5割を超え、新規感染者数は減少傾向にあるものの、自動車メーカー各社の生産活動が正常化するまでには、まだ時間がかかりそうだ。