国土交通省は、10月から12カ月ごとの定期点検項目に「車載式故障診断装置(OBD)の診断の結果」が加わることを周知するユーザー向けのチラシを作成した。OBD点検は緊急自動ブレーキなどを搭載するほぼすべての自動車を対象とする。点検はメーターパネルの警告灯の点灯の有無を確認する方法でも可能だが、国交省では「地方運輸局の認証を受けた整備工場で外部故障診断機(スキャンツール)を使用した点検を受けましょう」と呼び掛けている。
OBD点検は、先進運転支援システム(ADAS)搭載車などの普及に対応する点検項目として加わった。センサーの取り付け角度が正しくなければ、装置の誤作動で事故につながる可能性がある。ADAS以外にもアンチロックブレーキシステム(ABS)や前方・側方エアバッグなどが点検の対象となる。
国交省や自動車点検整備推進協議会は、OBD点検の追加を1つの契機に定期点検の実施率向上を目指している。両者が7日に都内で開いた「2021年度自動車点検整備推進運動」の記者会見では、スキャンツールを使用したOBD点検のデモンストレーションを実施して整備のプロに任せることの重要性を訴えた。