帳票類を主力製品とするトッパン・フォームズは24日、印字やエンコード済みのICタグと、その表面を保護するためのオーバーフィルムが一体となった「オーバーフィルム一体型ICタグ」を開発したと発表した。オーバーフィルムが一体となったICタグは業界初。管理対象物へのICタグの貼り付けとQRコードやシリアルナンバーなどの表面印字の保護が一度の作業で可能になるため、作業負荷を従来の3分の2に軽減できる。今後、新製品の読み取りアプリケーションの開発なども進め、2026年までにICタグ、読取機器などを合わせて5億円の売り上げを目指す。

 製造業界や物流業界、医療現場などでは急速にDX(デジタルトランスフォーメーション)化が進んでおり、ICタグはIoT(モノのインターネット)技術を活用した物品管理の有効な手段として幅広く活用されている。その一方で、従来のICタグには表面を物理的に保護する構造が無く、印字が擦過や紫外線などで消えてしまうリスクがあった。多くの現場では印字を保護するための透明フィルムを人手で貼り付けており、作業員の大きな負担となっていた。

 新製品は、ICタグ表面上にオーバーフィルムをラミネートした一体型のため、印字を擦過や洗浄、紫外線から保護できる。また、物流現場のさまざまなニーズに対応できるよう、小型の物流容器にも貼付可能な28×83ミリメートルサイズとした。

 手軽な貼り付け作業のみで、屋外保管や管理対象物同士の接触、管理対象の洗浄といった過酷な環境下でも長期活用できるICタグを提供することで、物流現場をはじめ製造現場の固定資産や医薬品の管理など、さまざまな現場のDX化を支援する。