SGホールディングスグループでロジスティクス事業を手掛ける佐川グローバルロジスティクス(山本将典社長、東京都品川区)は、同グループの物流施設「東松山SRC」に無人搬送車(AGV)を利用した仕分け搬送機(ソーター)「t―ソート」とRFID(無線認識)などのデジタルシステムを導入して作業効率を最大で4倍強高めたと発表した。効率化によって仕分けに割いていた人員を出荷作業に充てることが可能となり、東松山SRC全従業員の労働時間短縮にもつなげた。現在はアパレル用品で活用するが、今後は適用可能な商品を広げて全国物流施設への導入を目指す。
新システムは、繁閑に応じてAGVの台数を増減し処理能力を柔軟に調整できることや、ベルトコンベアなどによる従来型のソーターと比べ導入準備が短かく設置面積が少ないことが特徴。東松山SRCは投資効果を考えて人手を中心に仕分け作業を行っていたが、次世代型の新システムにはメリットが大きいと判断して導入に踏み切った。AGVは35台を活用する。生産性は誤発送の防止力が高まったこともあり人手に対して出荷作業が1・32倍、返品作業が4・43倍にそれぞれ向上した。また仕分け作業にかかる人員を27%削減し、負荷の大きい出荷作業に振り替えた。
併せて従来のハンディターミナルよりも情報入力が簡単なRFIDシステムを導入して新規就労者の教育期間を約7割短縮し、早期の戦力化につなげた。