ヤマトホームコンビニエンスのHP

 ヤマトホールディングスは2日、引っ越し事業を手掛ける同社傘下のヤマトホームコンビニエンス(YHC、佐藤大輔社長、東京都中央区)の株式51%を、同事業大手のアートコーポレーション(寺田政登社長、大阪市中央区)に売却すると発表した。YHCは法人顧客向け引っ越し料金を過大請求していたことが明るみに出た2018年以降、業績が低迷。アート傘下に入りシナジーを創出し、経営再建につなげる。

 両社は20年10月から引っ越し分野での協業を検討し、約半年の検討の結果、株式譲渡を決定した。株式の譲渡額は非公表、譲渡日は22年1月17日。YHCが培ってきた開梱や設置、回収の配送技術力とアートのネットワークを組み合わせることで、コロナ禍で急成長したEC(電子商取引)における大物家具、家電の配送ニーズ取り込みを目指す。

 YHCは、単身者向け引っ越し事業のほか、大物家財の輸送事業を手掛けるヤマトの完全子会社。21年3月期の業績は、売上が268億円、営業損失が56億円だった。赤字は18年3月期から3年連続。