三菱ふそうトラック・バスは15日、米ソフトウエア開発のワイズ・システム社と業務提携を結び、人工知能(AI)を活用した配送計画システムを販売すると発表した。宅配など小口配送の「ラストワンマイル」で走行ルートや配送状態などをリアルタイムで把握し、AIによる効率的な配送計画の提案を行う。まずは輸送事業者向けに試験運用を実施し、10月以降をめどに本格導入する。

 ワイズ・システムが国内に参入するのは初めて。同システムに配送オーダーや荷物、ドライバーや車両の状態などの情報を入力し、ルート計画アルゴリズムがトラックとドライバーの選定、配送ルートなどの配送計画を自動作成する。ドライバーが持つスマートフォンのアプリに配送計画が送られ、リアルタイムで進捗状況などを確認できる。

 同システムはAIによってリアルタイム情報を学習することで継続的に改善を進め、回数が重ねられることで性能向上が図られるのが特徴。導入済みの米国では、走行距離を15%削減するとともに、稼働率は20%向上、配送遅延を80%解消した実績を持つ。

 配送の効率化は、走行ルートの最短化による二酸化炭素(CO2)削減や慢性的なドライバー不足への貢献にも寄与する。三菱ふそうでは同日から同システムを無料で提供するデモの受付を開始し、業務効率化に向けた改善策の提案を行う。事業者が併有する他ブランドのトラックにも対応する。本格導入は10~12月を予定しており、導入時のコストは100万円以下、車両1台当たりの利用料は月額数千円とする計画だ。