帝人は、アラミド事業を手がけるグループ会社であるオランダのテイジン・アラミドが、パラ系アラミド「トワロン」でライフサイクルアセスメント(LCA)における二酸化炭素(CO2)の排出量を2014年対比で約30%削減したと発表した。テイジン・アラミドでは11年から独自手法を用いた環境負荷低減に取り組んでおり、今回の成果を生かし50年度までにCO2排出実質ゼロを目指す。

 同社では、環境配慮や経済価値での顧客利益向上のための独自手法「カスタマー・ベネフィット・モデル(CBM)」を用いてトワロンを使用した顧客製品による環境負荷低減の実現に取り組んできた。

 トワロン1㌔㌘の生産におけるCO2排出量は、トワロン糸では12~14年平均値12・2㌔㌘に対し、21年は8・7㌔㌘、パルプは12~14年平均値12・9㌔㌘に対し、21年が8・8㌔㌘で、原料重合から出荷までのCO2排出量を削減した。

 グリーンエネルギーの活用も積極化しており、欧州エネルギー証明制度(EECS)の一環であるエネルギー属性証明(GO)を取得し、風力エネルギーの使用を始めた。年内にはオランダ国内の生産拠点の総電力消費量をすべてグリーンエネルギーで賄う見込みだという。